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2020.07.31

EDUFES 北海道参加団体インタビュー 第1回 NEONE

こんにちは。EDUFES実行委員会の金本です。

今回はEDUFES北海道参加団体インタビューとして、第一回EDUFES北海道に協力いただいた団体のインタビュー企画を実施いたしました!

参加してくださった団体の代表者の人となりや立ち上げの思いを掘り下げるとともに、今の状況や、活動を発信していければと思っています。

記念すべき第一回は第1回EDUFES北海道で高校生トークを実施してくださったNEONEの代表者 馬場航平さんにお話を伺いました。

1.NEONEを立ち上げたきっかけを教えてください。

馬場:理由は2つあって、
自分の人生の中で、人の成長に関わることが素敵だと感じる瞬間がいくつかあったんですよね。
例えば、学生NPOやっているときに新しく入った子が、成長して法人営業とかをひとりでできるようになったりとか、カナダで居酒屋店員をしていた時も、新しく入った子を早く一人前にしてあげるためにやってあげられることを考えていたり。
思えばそれが最初のきっかけでしたね。

金本:わかります。僕も教員になりたい理由がそれですし。
人が昨日までできなかったことが今日できるようになったみたいな瞬間に立ち会うのって感動しますよね。

馬場:その後、カナダから帰ってきてからも、中高生をビジネスコンテストに出すというプロジェクトに携わったんだけども、子どもたちがやりたいことだったり夢を引き出していく過程で、たくさんの学びの中で日々成長していく姿を見て、子どもたちって限界がないなぁって感じて、人の成長に携われる仕事って素敵だなぁって思ったんだよね。

もう一つは、人生の辛いときとかに立ち直る場面っていつも周りの人たちに助けられたり、していたなぁって思っていて。
高校の時なんかも、とあることがきっかけで、自分が存在する理由がわからなくなったりとかもしたのだけど、二年生のときに彼女ができたり、仲のいい友達ができたりしたことで救われたんだよね。
大学で学生NPOで活動しているときも、カナダで留学しているときも、自分を必要としてくれる周りのコミュニティに救われたと感じる経験があって、自分と同じように、生きるのが辛かったり、自分の思っていることを言葉に出せない子たちの居場所づくりをしたいなと思ったのが、NEONEを立ち上げるきっかけになっています。

金本:なるほど。NEONEのコンセプトの一つに、「学校教育では教えてくれない生きる力」っていうのがあったと思うんだけども、そこに焦点をあてたのも、そういった経験からなんでしょうか。

馬場:それもあるんですけども、カナダから帰ってきたぐらいの頃かな。
そのころ、中小企業の社長とかっていう大人と接する機会が多くて、当時24歳とか25歳だったんだけど、「25歳じゃないよね。考え方が」って言われることがよくあって。自分が今までやってきたことって、社会に出て必要とされることであり、それが「生きる力」だよねってよく言われてたんですよね。
で、自分が今持っているものが何かって考えたとき、それが、今の若者たちとか子どもたちが悩んでいる、『自己肯定感』だったり、『夢ややりたいこと』だったりするのかなって。
それを自分が伝えていけたらいいなと思った時、それって学校で教えてもらえることなのかなとかって思ったんですよね。
総合学習とかでは学ぶ機会はあるとは思うけど、評価教育だとそれを伝えきるのって難しいよなぁって思ったんですよね。
というか果たしてそれが本当に先生方がそれをやるべきことなのかなって考えたりして。先生って既に相当大変な仕事だし、スーパーマンなのだから、これ以上やること増えなくてもいいよなぁって思うんですよね笑
ってなったときに、学校外から学校と連携して自分が等身大に伝えられることってなんだろうって考えたときに、それがNEONEのプログラムのきっかけなんですよね。
自分がちゃんと体現できていることだったりとか、意識してやれていることに関してちゃんと責任をもって伝えたいなぁと。

2.今の活動をしていくうえで、大事にしていることは?

馬場:大事にしていることはいくつかあるのだけど、
一番大きいところは等身大で接するということ。
子どもに対して子ども扱いするとか、そういうことはしないようにしているし、自分が伝えることに関しても、自分が「今はできていないけれどこれからやろうとしていること」よりも、「自分が今意識してやっていること/意識してやってた」をしっかり伝えていきたいと思っています。
例えば、お金のこととか保険のこととか、生きる力という意味では伝えるべきことの一つではあるのだけど、自分が詳しく伝えられないし、意識できていないので、自分が伝えるべきことではないと思っていて、自分が伝えられることと伝えられないことの住み分けはちゃんとしていきながら、というのは意識しているなぁと。

あとは、ワークショップだったり、人と接することで意識していることは、自分が関わることによって他人の人生を良くも悪くも大きく変えてしまうことになると思っていて、中途半端に関わるのではなく、その人の人生を背負う責任を持ちながら関わろうとしていて、自分の仕掛けたワークショップとかで受講者の人生が悪い方向に進んでしまった時は、しっかりメンタリングできるように責任を持って関わるようにしています。

あとは多年代と関わるということは大切にしています。

金本:あぁ……。確かに。僕も馬場くんと同年代だから、同じような境遇だったり、同じようなものを見て育ってきたなぁと感じる部分はあるけど、他の年代の人と話したときの価値観の広がりは感じますよね。

馬場:上の人と関わるっていうのももちろんだけど、下の子と関わる時もとても感じる。
生きてきた環境が全く違うので、たくさん刺激を受けられるんですよね。
小さいころからスマホがあるとか、トレンドだったりっていうのも全然違うし。

3.今の活動の中で困っていることとかはありますか?

馬場:すごく個人的なことをいうと、受益者負担じゃないサービスにどんどんしていきたいなぁと思っていて……。
参加者の中には高校生とか大学生ももちろんいて、参加費がハードルでその一歩が踏み出せなかったりしている現状があって、自分のやりたいこととかもまだわからない子たちに気軽においでよと誘ったものの、参加費を取るという構図が果たして本当にいいことなのかなって。
本来であれば無料で届けてあげることが最初の一歩としてはいいのかなと思ったりはするけれども……。
広がり方としては、もっと学校や地域のコミュニティと連携していけたらいいなぁとは思ってはいます。

あとは、やっぱり困っているのってシングルマザーをはじめとする、お母さん方が、教育的なところで、自主性をもって子どもたちに歩んでほしい、だとか、自信をもって生きていってほしい。でも実際にどんな風に育てていったらいいのかわからない。といったような悩みを抱えているお母さんたちの助けになれたらなぁと思ったりはします。
特にシングルマザーとなると、教育に時間をかけられなかったり、対話が十分にできていないということもあると思うので、もっともっと自分が入って行って力になれたらなぁと思います。そのあたりのマッチングができたらいいなぁと思ったりもしています。

金本:お金の問題は難しいですよね。教育っていう分野はお金を生み出しづらいから。

馬場:本当はそこの枠組みだとかマインドセットもやっていけたらいいなと。
将来的なビジョンとしては、教育がお金を生む産業にしていきたいなと思っていて。
今、ITとかAIが着目されてお金が回るようになったのってこの産業が未来をつくるという感覚をみんなが認識したからであって、AIとかは今始まったというよりももっともっと昔からあって、逆に言うと、教育が未来をつくるという認識が広まったとき、教育に同じようにお金が使われて、民間と学校がしっかり連携を取りながら子どもたちに人生に必要な生きる力だったりキャリア教育だったりをしっかり受けられるプラットフォームが出来上がっていくんじゃないのかなと個人的には思っています。

4.NEONEとして今後の展望・今後やっていきたいことはなんですか。

馬場:展開としては、メインは札幌でやっているが、コロナの影響もあってオンラインで展開をしていく動きがあって、去年も金沢だったり京都の教育大学で自分のコンテンツをやらせていただいたということもあって、もっと全国展開をしていきたいなぁと思っています。オンラインか、オフラインかはまだわからないんですけど。
ゆくゆくは海外にも展開していきたなぁとも思っていて。
というのも、自分のやりたいことや夢って、日本人だけが持てていないというわけでもなく、海外でも悩んでいる子たちが多いっていうのは自分がカナダにいるときから感じていて、そういった人たちが夢を持って歩んでいけると、もっともっと良くなると思うんですよね。
なので最終的には世界に展開していければと思っています。
ただ、一人でできることではないので、今NEONEに関わってくれている大学生や高校生たちが将来、大人になって人生経験を積んだ時、NEONEの別の拠点だったりマネジメントしてくれるのが理想だなぁって。

金本:確かにコロナの影響で、世界は近くなった感じはありますよね。

馬場:大変だったなぁと感じることも当然多いのだけど、そういうところはポジティブに捉えていきたいですよね。

金本:本日は、お忙しい中、ありがとうございました。

インタビューを振り返って

馬場君とは同年代ということもあって、リラックスしてお話を聞くことができました。

僕自身もどちらかというと夢を持てず、やりたいことがわからなかった末の回り道の最中なので、キャリア教育等で小さいころから様々な社会の情報に触れられると素敵だなと感じます。

そのためにも、教育という営みを学校にすべて押し付けるのではなく、地域全体で連携して子どもたちの幸せを考えていく重要性を感じました。

お忙しい中、インタビューを受けて下さってありがとうございました。

馬場航平KOHHEI BABA

NEONE 代表

札幌市在住。ファシリテーター/コーチ/ワークショップデザイナー
大学入学後、学生NPOアイセックに3年間従事。
大学4年次より、3年間休学し、カナダ・トロントで英語取得後、現地居酒屋で店長をとして、実際のビジネスに采配を振る。帰国後、NEONE(ネオン)という屋号で、フリーランスとして活動中。「自分軸を大切にした目標設定」をテーマとして、ワークショップを小学生から社会人まで幅広く展開中。教育現場や家庭にコーチングや生きる力の普及活動を行っています。

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